最近子どもの要望でAmazonプライムにあった映画ドラえもんを全作品見たのですが関連にちらほら出てた「クレヨンしんちゃんガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」を見ました。
クレヨンしんちゃんの映画シリーズは「意外といい」「泣ける」と評判だったのでちょっと気になってたんですよね。
泣くつもりがないのに見たら泣ける子供向けアニメ映画って結構多くて「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」は友達がまじで泣いたと数人報告してきていたので期待大だったんです。
映画のネタバレありますので見ても構わない人は読み進めてください。
クレヨンしんちゃん映画「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」は泣けた?ネタバレあり
結論、泣けませんでした。
期待外れで泣けるような作品じゃなかった!ではなく単に子どもと一緒に見たので泣くに泣けなかったというか。
ひとりで見てたら間違いなく泣いてたわ。
映画は普段の日常から始まるんですが、ある日ぎっくり腰になってしまったひろしは「無料」という甘い言葉にのせられて怪しいエステサロンに入り、そこでロボットの姿にされてしまうんですが実際はひろしの記憶をコピーしただけのロボット。
しかし目が覚めたシーンからひろしの視界で物語が進むので完全にひろしがロボットにされてしまったと思い込んでしまい、すっかり騙されました。
旦那がいきなりロボットの姿になったことを受け入れられなかったみさえも、家族のために必死な姿をみてだんだんロボットであることを受け入れていくんですよね。
姿はロボットになってしまったけど、あなたはあなただわって。
でも映画中盤で本物である生身のひろしが出てきてからのロボとーちゃんが本当に切ない。
見ていた私も気持ちがグワングワンゆすられました。
ひろしだと思っていたのは記憶だけで実際は量産型ロボットの1人にすぎなかった自分。
目の前にいきなり現れた生身の体を持つ本物のひろし。
オリジナルとコピー、人間とロボット、永遠のテーマとも言える深い葛藤がここでいきなり投下される。
本物のひろしが出てくるまで、完全にロボとーちゃんがひろしだと思って見てたので正直うろたえました。
え、お前コピーだったの…。
どうやって人間の体を取り戻して元の生活に戻るんだろうって不安がずっと年頭にあったので「あぁよかった」という安心感もあったんですが動揺もすごい。
信じたものがグラグラする感じ。
クレヨンしんちゃんの映画はシリアスシーンだろうがとにかくふざけ倒してくる演出が常套手段なんですが、こうやってグッとくるシーンはしっかり訴えかけてくるので気を緩めたら泣きますね。
一緒に見ていた4歳の子どもはこの映画、大泣きして見ていました。
声出して笑って涙がでた「けつだけ星人」
クレヨンしんちゃんの映画は子供向けですがしっかり大人にも向けて作られてる作品です。
大人にしかわからないような演出がんがんに詰め込んできますからね笑
コアなファンしか笑えないような小ネタもたぶん気づかないだけで山ほど入ってる、そんな大人向けアニメ映画です。
そういう意味では今回の「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」は最高にカオスな映画でした。
作画崩壊させて遊んでるし遊び心ありすぎてニヤニヤしてしまうくらい大人が遊んでる映画笑
だから大人になって見ても子どもが大笑いする横で親もこんなに楽しいんだと思う。
今回泣くほど笑ったのはクレヨンしんちゃんの必殺技である「けつだけ星人」をいつもの幼稚園メンバー全員でやって敵を翻弄させたシーン。
全員がしんちゃんの服をきてケツしか見えてないのに個性が出過ぎてて「あ、これまさおくんだ」「これぼーちゃんじゃん」ってじわじわくる笑
笑いすぎて涙が出て来て「ひーひー」って呼吸が乱れちゃってちょっと恥ずかしかったです。
映画館で見てたら苦しいやつだったかも笑
野原ひろしという父親としても夫としても最高の男
クレヨンしんちゃんはおバカ系アニメで主人公のしんちゃんのひょうひょうとした物言いが有名ですが実際アニメをいくつか見てみると家族がほんと仲良しで最高です。
家族愛ってこの日常から感じる毎日の積み重ねなんだよなぁって思います。
特にしんちゃんの父親である野原ひろしが最高に良い。
尋常じゃないくらい足が臭いし、イイ女にはすぐ鼻の下が伸びて良い恰好しちゃうし、ダメ親っぽい描写も多いんですが基本的に優しい子煩悩なとーちゃんで。
特に妻であるみさえのことをすごく大事にしているのが見受けられるシーンが映画でもアニメでもちょこちょこあってめちゃくちゃ好感度の高い父親キャラです。足臭いけど。
映画だと普段はあまり描かれない頼れる男気がすごい発揮されるのですごいかっこいい。
今回の映画でも敵にひとり立ち向かうみさえのピンチに駆けつけて第一声が「俺のマイスイートハニーってことだよ!」って叫ぶんですよ笑
マイスイートハニーって!
このふざけた恥ずかしいセリフも野原ひろしが言うと「嫁大好きかよ」って幸せな気持ちになっちゃうんですよね。
普段から妻を大事にしてるのが見えるから急に言葉にされても違和感なく「ああ、そうだろうな」と思わせてくれる。
というよりもあんなピンチで「マイスイートハニー」って単語を持ち出してくるユーモアと余裕のある旦那は最高かと笑
でも今回はこの夫婦愛があるからこそ、ロボとーちゃんの存在がほんとうに切なかった。
家族を守ってボロボロになるまで戦ったロボとーちゃんにみさえが「あなた!」って泣きながらかけよるシーンがあるんですが
みさえはロボとーちゃんではなくその後ろにいた生身のひろしに抱きつくんです。
その時のロボとーちゃんの受け入れられない悲しみがしんどいし、しんちゃんはずっとロボとーちゃんにも変わらない愛を向けてて泣けてくる。
どっちもストレートな愛だなぁと。
映画の最後、敵と戦ってボロボロになりもう壊れる寸前のロボとーちゃんがひろしに無言で腕相撲で勝負を挑むんです。
しんちゃんがひろしを応援すると、その気持ちに応えようとひろしが優勢になり
ロボとーちゃんを応援すると、その気持ちに応えるようにロボとーちゃんが優勢になる。
そんなとき、みさえが涙を浮かべながら「あなた勝って!」って叫ぶんです。
その瞬間、ひろしがものすごい力を発揮するのに対してロボとーちゃんは何かを悟ったような顔をして一瞬力が抜けてそのまま負けてしまう。
この「あなた勝って!」の言葉で力を弱めたロボとーちゃんの気持ちを考えれば考えるほど凄くつらくて。
自分は間違いなく野原ひろしであると信じている。
でも今自分が勝つことが「妻のためになるだろうか」ってわざと負けたんじゃないかと。
みさえが叫んだ「あなた」は自分のことじゃないんじゃないかと瞬時に悟ってしまったんだと思うんです。
そして妻を愛してるからこそ妻のために自分に負けたんじゃないかと。
どこまでもみさえを愛してるひろしの記憶(気持ち)にうわぁぁあって切なくなりました。
もうほんと最高かよ、野原ひろし。
そして最後壊れてしまうロボとーちゃんに駆け寄るしんちゃんにかけた言葉が「おめえの父ちゃん、強いだろ」ですからね。
しんちゃんはずっとロボとーちゃんも本当のとうちゃんだって信じてたからその気持ちにしっかり答えるための腕相撲だったんだろうな。
たぶん勝負を持ちかけたロボとーちゃんは負けるつもりなんて1ミリもなかったと思う。
自分が本物だと信じているからこそ、この腕相撲で決着をつけてどっちが父親か証明しようじゃないかという気持ちで挑んだと思うんです。
でもみさえの「あなた勝って」の一言で負けた。
野原ひろしはどこまでも「家族」のことを考えている優しい最高の父親だわ。